ベンチプレスとスクワットにおいて、「ラックアップ」は動作の成否を分ける極めて重要なポイントです。
この記事では、ベンチプレス・スクワットそれぞれのラックアップの重要性と、押さえておくべきポイントを解説します。
なぜラックアップが大事なのか?
ラックアップとは、バーベルをラックから外して動作に入るまでの「準備動作」です。
ここが重かったり、バランスを崩したり、安定していなかったりすると、その後の動作すべてが崩れます。
- 「ラックアップの時点で重い」と感じてしまうと、その後の押す/しゃがむ動作に自信が持てない
- 肩や手首に負荷がかかり、フォームのミスや怪我につながる
- 逆に、スムーズなラックアップができれば、そのまま強い動作につなげられる
つまり、ラックアップは単なる“スタート”ではなく、動作全体の流れを決める「第一関門」なのです。
ベンチプレスのラックアップで大切なこと(3選)
- 大きく息を吸うこと
→ 横隔膜を下げて体幹を固める。息を吸うことで体内に圧がかかり、体幹が固まる。これによって最大限のパワーを出せる状態でラックアップできる。 - 骨で支える意識を持つこと
→ 筋力ではなく骨格でバーを受け止める。腕や肩に力が入りすぎるとバーがブレやすくなる。特に重要なのは、手のひらの“上の方”ではなく、手首寄りの骨でバーを支えること。手のひらの中央〜手首側にバーが乗るように握ると、骨でしっかり受けられる。 - 首をしっかりラックにつけること
→ 上背部を安定させるポイント。ブリッジを組んだ状態で首〜背中がラックに当たっていると、力を逃さず押せる。 - (補足)ラックの高さが適切であること
→ 高すぎると肩がすくみ、低すぎるとブリッジが崩れる。自分のフォームに合った高さに毎回セットする。

グリップにおいてバーを乗せる位置の参考
スクワットのラックアップで大切なこと(3選)
- 骨でバーを受けていること
→ 肩や腕で支えるのではなく、僧帽筋や背中で“はめる”感覚を持つ。 - バーが重心の真上にあること
→ 前後どちらかにズレているとラックアップ時にバランスを崩す。完全にラックアップする前に、軽くバーを浮かせて左右のバランスを確認してから持ち上げると安定しやすい。 - 肩甲骨をしっかり下制できていること
→ バーが安定するだけでなく、体幹全体も締まりやすくなる。広背筋で“棚”を作るイメージ。
まとめ:ラックアップが「軽い」だけで全てが変わる
ラックアップを制する者は、BIG3を制す。 それくらい、動作に入る前の準備段階=ラックアップの質は重要です。
「なんか今日は重いな…」と思ったら、その日は重量うんぬんではなく、ラックアップが雑になっていた可能性を疑ってみましょう。
ラックアップの技術は、繊細なだけに毎回意識して丁寧に積み重ねることで確実に向上します。
次回のトレーニングでは、ぜひ「バーを外した瞬間」から、勝負を始めてみてください。
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