1セットでも筋肥大するのか?
筋トレといえば「10回3セット」が定番です。
では「10回1セット」だけでは筋肉は大きくならないのでしょうか?
結論から言えば、1セットでも筋肥大は可能です。
ただし、複数セットに比べると効果は小さい傾向にあります。
1セットと複数セットの比較
研究では、2〜3セットに増やすと1セットよりも明らかに筋肥大効果が高いと報告されています。
ただし「セット数を増やせば増やすほど比例して効果が高まる」わけではなく、追加効果はだんだん小さくなります。
- 1セット → 効果は小さいが筋肥大は起こる
- 2〜3セット → 効果が大きく伸びる
- 4セット以上 → 上乗せはあるが効果の伸びは小さい
つまり、最初の2〜3セットが最も効率的だと言えます。
初心者と上級者の違い
初心者の場合
トレーニング経験が少ない初心者は、1セットだけでも十分に筋肥大が起こることが多いです。
刺激に慣れていないため、少ない量でも新しい刺激として反応しやすいからです。
上級者の場合
一方でトレーニング歴が長い上級者は、1セットでは刺激が不足します。
すでに筋肉が発達しているため、さらなる成長には複数セットのボリュームが必要になります。
マシンとフリーウェイトの違い
マシンでもフリーウェイトでも、筋肥大効果に大きな差はありません。
大切なのは「どの器具を使うか」よりも、その1セットでしっかり追い込めるかどうかです。
- フリーウェイト:全身の安定性も鍛えられるがフォームが難しい
- マシン:狙った筋肉を追い込みやすく、初心者でも扱いやすい
どちらを選んでも筋肉は成長します。自分が効かせやすい方を選びましょう。
時間対効果(タイパ)の観点
効率を考えると、各筋群あたり週4〜8セット程度が目安です。
1回のトレーニングで2セットを週2回行えば、この範囲に収まります。
忙しい日は1セットでも効果はありますが、余裕があるときはもう1セット追加すると効率的です。
また、スクワットやベンチプレス、デッドリフト、懸垂といった複合関節種目を選ぶことで、少ないセットでも多くの筋肉を同時に鍛えることができます。
まとめ
- 「10回1セット」でも筋肥大は起こる
- 2〜3セットに増やすと効果が大きく向上する
- 初心者は1セットでも十分だが、上級者は複数セットが必要
- マシンとフリーウェイトで効果に大きな差はない
- 各筋群あたり週4〜8セット程度が効率的な目安
- 忙しい日は1セットでも無駄にならない
参考文献
- Krieger JW. Single vs. multiple sets of resistance exercise for muscle hypertrophy: a meta-analysis. J Strength Cond Res. 2010.
- Schoenfeld BJ, et al. Strength and hypertrophy adaptations between low- vs. high-load resistance training. J Strength Cond Res. 2017.
- Androulakis-Korakakis P, et al. One set resistance training: A meta-analysis and review. Sports Medicine. 2019.
- Ralston GW, et al. The effect of weekly set volume on strength gain: A meta-analysis. Sports Med. 2017.
- Carroll K, et al. Free-weight vs. machine-based resistance training: A systematic review and meta-analysis. Strength Cond J. 2023.
- Grgic J, et al. Effects of resistance training performed to repetition failure or non-failure on muscular strength and hypertrophy: a systematic review and meta-analysis. J Sport Health Sci. 2021.
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