筋トレをしていると、必ず出てくる疑問が「プロテインって本当に必要なの?」「加工食品だから体に悪いんじゃないの?」というもの。
一方で、最近は「高たんぱくシリアル」や「カップヌードルPRO」などの“たんぱく質を含む加工食品”も増えてきました。
では実際のところ、加工されたたんぱく質は体にとって意味があるのか?
最新の栄養学をもとに解説していきます。
加工でたんぱく質が使えなくなることもある
まず前提として、すべての加工食品が同じではありません。
高温での加熱(例:パンの焦げ、レトルト食品など)では「メイラード反応」という現象が起こり、たんぱく質が別の物質に変化します。
こうなると、体内でアミノ酸として利用できなくなり、筋肉の材料にはならないんです。
つまり、同じ「10gのたんぱく質」でも、調理や加工方法次第で栄養価は大きく変わります。
プロテインは“良い加工食品”
では、プロテインパウダーはどうなのか?
結論から言えば、プロテインは安心して飲める「良い加工食品」です。
- 高温加熱を避けて製造
- アミノ酸が壊れないようにろ過・乾燥
- 消化吸収されやすい形に加工
これらの工程を経て作られているため、ホエイプロテインは食品の中でもトップクラスの吸収率とアミノ酸スコアを誇ります。
科学的にも「筋トレ後の筋肉合成に最適」と評価されています。
シリアルや完全栄養食品はどうなのか?
「高たんぱくシリアル」や「カップヌードルPRO」、「ベースフード」などの完全栄養食。
確かにたんぱく質量は多めですが、その多くは植物性や穀物由来。必須アミノ酸のバランスが動物性に比べて劣ることもあります。
👉 忙しい日の補助食としては便利ですが、筋肉を効率的に増やす主力としてはプロテインや肉・魚・卵に劣るという点を覚えておきましょう。
グルタミンの位置づけ
グルタミンはよく「筋肉サプリ」と言われますが、直接的に筋肥大を助けるものではありません。
ただし、腸や免疫のサポートには有効とされており、
- 減量中
- 風邪をひきやすい
- 食欲が落ちやすい
といった人にはおすすめできます。
まとめ:量と質の両方を意識しよう
- 高温加工食品ではたんぱく質の栄養価が下がる
- プロテインは“良い加工”で、安心して摂れる高品質たんぱく源
- シリアルやカップ麺は補助食としてならOK
- グルタミンは回復や免疫サポートに有効
筋肉をつけたいなら、たんぱく質は「量」だけでなく「質」も重視しましょう。
参考文献
- FAO. Dietary Protein Quality Evaluation in Human Nutrition. Report of an FAO Expert Consultation. 2013.
- Boye J, Wijesinha-Bettoni R, Burlingame B. Protein quality evaluation twenty years after the introduction of the Protein Digestibility Corrected Amino Acid Score method. Br J Nutr. 2012;108(S2):S183-S211.
- Morton RW, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52(6):376–384.
- Holscher HD, et al. Protein Quality and Digestibility—Considerations for Future Research. Adv Nutr. 2021;12(1):197–210.
- Reid-McCann RJ, et al. Effect of Plant Versus Animal Protein on Muscle Mass, Strength, and Aerobic Capacity: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. Nutr Rev. 2025;83(7):e1581–e1603.
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