はじめに
デッドリフトは全身を鍛える最高の種目ですが、腰やハムストリング、手の皮・握力まわりのトラブルが起きやすい面もあります。フォームと負荷設定を整えれば、リスクを抑えつつ確実に伸ばせます。この記事では起こりやすい怪我の原因・対策を、僕の経験も交えてまとめます。
※一般的な運動情報であり、医療行為の指示ではありません。痛みが続く場合は医療機関へ。
腰のトラブル(丸め引き・反り腰)
原因
- 背中が丸まったまま引く(ヒップヒンジ不足)
- 腹圧不足で腰部に負担集中
- 重すぎるセットや“限界上げ”の乱発
対策
- ヒップヒンジ+ニュートラルスパインの徹底(PMC)
- ブレス&ブレースで腹圧を高める。パワーベルトを使う。(SELF)
- マックス挑戦は余裕を残す(フォーム破綻を避ける)(Stronger by Science)
実体験
かつて死ぬ気のマックスで腰を痛めたことがあります。いまは余力を残す上限で組み、フォーム維持を最優先にしてから腰痛は激減し、伸びも安定しました。
ハムストリングのトラブル(張り・肉離れ)
原因
- ウォームアップ不足
- 柔軟性や可動域以上の深さ・スピードでの反復
- 疲労が残った状態での重いセット
対策
- 軽重量から段階的にアップ
- ルーマニアンDLなどでハムのエキセントリック強化とヒンジ練習(Health)
- ハム・股関節のモビリティを習慣化
実体験
寒い時期にいきなり重く引いて痛めた経験あり。段階的アップ+ヒンジ再学習で再発が減りました。
握力・手の皮(豆・裂け)
原因
- 高重量保持の反復で皮膚損傷
- 滑りやすい環境・握り込みの浅さ
対策
- チョーク(またはリキッドチョーク)で滑り対策
- 目的に応じてストラップで負荷分散(握力育成目的の有無で使い分け)
- バーは手の付け根(掌の下部)にかける意識で、手首の過伸展を抑える(ベンチの例だが手首の積み方の考え方は共通)(Stronger by Science)
実体験
素手にこだわって皮が裂けたことがあります。いまは素手/ストラップ/チョークを目的別に切り替えています。
首・僧帽の張り
原因
- フィニッシュで肩をすくめる
- 反動で引き上げる
対策
- ロックアウトで肩を下げる意識
- コントロールして下ろす(反動の多用はNG)
デッドリフトは「量を稼ぐ種目」ではない
高REP・高SETは避けるのが基本。高回数でフォームが崩れると、腰背部の負担や怪我リスクが上がります。実際、高回数スクワット/デッドで代謝疲労を追うとフォーム破綻のリスクが増すと複数のコーチが警鐘を鳴らしています。(Stronger by Scienceelitefts.com)
→ 目安:5〜8回×2〜4セット程度を上限に、フォームが乱れたら即終了。週全体の疲労管理を最優先に。
怪我を防ぐための習慣
- 十分なウォームアップ(軽重量2〜3セット)
- フォーム撮影→チェック
- 補助具は目的で使い分け(ベルト/ストラップ/チョーク)(SELF)
- 睡眠・栄養・ストレッチで回復を確保
まとめ
- デッドリフトは腰・ハム・手でトラブルが起きやすい
- ヒップヒンジ+腹圧+ニュートラルが最優先(PMC)
- 高REP・高SETを避け、余裕を残した重量で安定フォームを積み上げる
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