筋トレをしていると「MAXに挑戦してみたい!」と思う瞬間があります。
SNSでも「MAX更新しました!」という投稿をよく見かけますし、自分の限界を試すのはワクワクしますよね。
でも、ひとくちにMAXと言っても種類があり、扱い方を間違えると怪我や停滞を招いてしまいます。
この記事では「トレーニングMAX」「コンペMAX」「アブソリュートMAX」という3つの考え方を紹介し、特に避けるべき危険なMAXについて解説します。
そもそも「MAX」とは?
一般的に「MAX」とは「自分が一回だけ挙げられる最大重量(1RM)」を指します。
ただし、実際にはシーンによって意味が変わります。ここを整理しておかないと、無謀な挑戦で怪我をしてしまうのです。
トレーニングMAXとは
定義:実際のMAXの90〜95%程度を基準にした、計算上のMAX。
- 代表例は「5/3/1プログラム」で、実際のMAXの90%を「トレーニングMAX」として設定します。
- 目的は「安全にボリュームを積み、徐々に強くなる」こと。
- 普段の練習やプログラム作成で使うのは、このトレーニングMAXが基本です。
👉 普段の練習は「トレーニングMAX」を基準にするのが安全で、長期的に伸びやすいです。
コンペMAXとは
定義:試合やピーキングで挑戦する、本来の1RM。
- 大会や記録会、本気の測定日に狙うのがコンペMAXです。
- 体調・準備・ピーキングが整った状態で「100%」を出しにいきます。
- 頻度はせいぜい年に数回。毎週やるものではありません。
👉 コンペMAXは「ここぞ」というときに狙うもので、普段は避けるべきです。
RM換算表を活用しよう
「今の力でMAXはどれくらいだろう?」を知る方法として便利なのがRM換算表です。
例えば「100kgを5回できたらMAXは約115kg」といったように、挙げられる回数から1RMを推定できます。
おおまかな目安は以下の通りです:
- 5回=約85%(MAX=挙上重量 ÷ 0.85)
- 3回=約90%
- 1回=100%
もちろん個人差はありますが、これを目安にすれば「今日はMAXに挑戦すべきか」を判断しやすくなります。
体感から見極める「今日いける重量」
数字だけでなく、自分の体感も重要です。
私の経験上、こんな感覚があるときはMAX更新が成功しやすいです。
- ウォームアップ重量が軽く感じる
- セットを重ねても疲労が少ない
- グリップやフォームが自然にハマる
逆に「重いな」「今日はなんか違和感ある」と感じる日は、アブソリュートMAXに挑むべきではありません。
RM換算表の数値と体感の両方を組み合わせるのがベストです。
アブソリュートMAXとは
ここで紹介する「アブソリュートMAX」という言葉は、実は一般的な専門用語ではありません。
一部のトレーニーやコーチが便宜的に使うことがある程度で、広く定着しているわけではないです。
この記事では、わかりやすさのために「死ぬ気であげる、その日の限界MAX」を便宜的にアブソリュートMAXと呼びます。
定義:死ぬ気であげる限界MAX。怪我リスクが最も高い重量。
- 体調やフォームを無視して「とにかく上げよう」とする重量
- 成功してもフォームが崩れていることが多く、関節や靭帯に強い負担がかかります
- 最悪の場合、怪我や長期離脱の原因になります
👉 この「アブソリュートMAX」こそが、やってはいけないMAXです。
MAX挑戦でよくある失敗
- デッドリフトで背中が丸まったまま引き切る
- ベンチプレスで潰れながら無理やり押し上げる
- スクワットで深さも出ず腰を痛める
これらはすべて「アブソリュートMAX」を追いかけた結果起こりやすい例です。
1回の成功より、その後の怪我や停滞の代償が大きすぎます。
MAXとどう付き合うべきか
- 普段の練習は トレーニングMAX基準(実際の90%程度)で十分
- RM換算表で「更新ライン」を把握しておく
- 「今日はいける」という体感が重なったときにコンペMAXへ挑戦する
- それ以外はアブソリュートMAXを追わず、地道に積み上げる
これが、怪我なく安全に強くなるためのMAXの使い方です。
実体験から学んだこと
私自身、昔は頻繁にMAXチャレンジをしていました。
確かにその瞬間は達成感がありますが、翌週以降は疲労が抜けず、フォームも崩れて、結局伸び悩むことが多かったです。
逆に、トレーニングMAX基準で地道に練習した時期は、記録が安定して伸び、怪我も減りました。
「結局は積み重ねだ」と実感しています。
まとめ|やっていいMAXとやめるべきMAX
- MAXには「トレーニングMAX」「コンペMAX」「アブソリュートMAX」がある
- 練習はトレーニングMAX基準で安全に進める
- コンペMAXは本番や特別な日に挑戦する
- アブソリュートMAX(死ぬ気であげるMAX)は避けるべき
- RM換算表と体感を活用すれば、怪我なく安全にMAX更新を狙える
限界に挑戦すること自体は悪いことではありません。
ただ、「正しいMAXの使い方」を理解していれば、怪我を避けつつ長期的に強くなれます。
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